ミシン
2010年11月16日
SINGER 188U Blue Champion
今日も定番コースを快走してきた。少しあった風がなくなり日本の秋という感じで穏やか。いい日です。
だけど自転車はここまでにして今日は久しぶりにミシンの話。
写真を見てください。かなり渋いブツでしょう。名機と言われたミシンです。少し塗装がはげてしっかり使われた感じがするからか、あるいは今時は需要がないのか1000円で落札しました。塗装がはげていたり角が丸くなっているのは別の見方をすれば風格が出ている貫禄が付いたとも言えるわけで好きですねえ。 (中古カメラも同様で静かに愛でています。新品、デッドストックもいいですがこてこてに使われたカメラも存在感があります。普通ではそこまで使い切れない、どんな人がどのように使ってこのようになったのか興味は尽きません。そのうちにアップします。こっちは年季が入ってる)
実際は上糸調整器に錆びはなく針棒にガタはなく内部にも錆びはなく外観からの想像より上物で機能は新品と変わらないとおもいます。長年放置されていたのか来たときはさすがに動きが固かった。でも注油とグリスアップで完全によみがえりました。
このミシンは職業用と言われるミシン。
職業用は聞きなれない言葉です。他に家庭用、工業用があって家庭用は一般の家庭用で工業用は縫製工場などで使われています。給油装置を内蔵していてモーターで動きます。
では職業用はというと仕立て屋さんの御用達と考えればいいでしょうか。アメカジ店でジーンズの裾揚げにも使われています。足踏みもあれば電動もあります。特徴としては直線縫い専門でジグザグは出来ません。そのため釜は左側に向いてついていて縫い目の方向に回転します。ジグザグミシンの垂直釜は針を横振りさせるので手前に向いて付いていて縫い目と90度に回転します。そのことで職業用ミシンは綺麗な縫い目が出来るわけです。
当ブログの記事にあるブラザーHA1-B2などジグザグが出来ない昔のミシンも構造は職業用とおなじで当然縫い目は綺麗です。物置に入れたはずのmyミシン、お手入れしてください。待っていますよ。
2010年03月31日
JANOME GRAPHICA 分解整備 その3
(Nikon D100 Micro-NIKKOR 55mm F3.5)
( 1/50 絞り開放)
タッチパネルを触っていたら反応したので縫ってみました。こんなに綺麗に縫えるならお金を出してでも液晶パネルを交換したほうがいいのでしょうか。悩めるところです。
2010年03月30日
JANOME GRAPHICA 分解整備 その2
高度な高級ミシンも本縫いしか出来ない単機能ミシンとしてのみ機能しています。
参考までにメイン基盤のコンデンサー交換について書いておきます。
これが部品交換後の基盤です。
私も全然分かっていないのですが経験により経年で劣化する部品は分かります。表面実装タイプのコンデンサーで基板上に5個あります。
16V47μF。1本10円程度です。付いている実装タイプを普通のコンデンサーに取り替えるだけです。実際に5個のうち1個ははがして初めて分かる程度ですが液漏れと電極の腐食がありました。背が高いので2個は折り曲げないといけません。写真の左上と右下です。
2010年03月29日
SINGER 6212C
(Nikon D100 Micro-NIKKOR 55mm F3.5)
( 1/100 F5.6)3枚とも
この直線と円で構成されたデザインがすばらしい。
機構は非常にシンプルでユニークです。普及型の機種だろうと思います。
メンテナンスは終わりましたがボビンがないので試し縫いは後日となりました。
2010年03月23日
JANOME GRAPHICA 分解整備 パネル外し方
(写真1)
(写真2)
ここまで展開するのに3時間。その大半は開け方が分からず悩んでいました。上の蓋は問題なく開きました。感覚的に次は右パネルです。目視できるネジは2本。それを外して他のパネルから浮かしても真ん中あたりが外れません。何とか無理して隙間から覗くと2本のネジが内側からパネルを止めているようです。そんなことは常識ではありえないですが。力ずくでは割れてしまいます。何か手がかりがつかめるかと思い底を外しました。これは大ネジ4本だから簡単です。次に前パネルを外しました。いっぱいコネクターが付いていますから写真を撮りながら慎重に。でも素直に外れてくれました。
もう底と前面を外したので、そこからドライバーをこじ入れて右パネルを止めている2本のネジを外しました。やっと開放されました。(写真1)
外したパネルを見て納得しました。
(写真3)
左写真の真ん中がそれです。あれを内側から外しました。右の写真を見て分かりますか? 想像力がたりませんでした。すきまから6角レンチを入れて外すのが正解です。6角レンチですよ。そんなのありって言いたいところです。
これに気が付けば5分で右パネルは外れます。ネットで検索しましたけど、これは見つかりませんでした。
いったんパネルを外してしまえば、後は簡単。底部の刺繍をする時に生地を動かす装置がしっかり固着していましたから、それを溶かして動かしただけです。ついでにその他の駆動部に十分注油して動きを確かめたら終わりです。
あとは元通りに組んでテストです。その結果が最後の写真です。上糸巻き問題なし。上下の糸をかけて試し縫い。OKです。綺麗に縫えています。心配していた液晶も文字が読めますからOKでしょう。しかしタッチパネルの反応がよくないです。あとはそれだけです。
でも昨日の午後から始めたわけですから自分としては、ここまで出来れば満足です。しっかり遊んでもらいました。送料込みでも2000円ちょっと。安い遊びです。
(写真4)
まだまだ整備は続きます。
さて、いつ完了となるやら。
2010年03月19日
ロックミシン美馬精機 ML-302 (調整編)
(Nikon D100 Micro-NIKKOR 55mm F3.5)
( 1/60絞り開放)
調整箇所は右ルーパーと糸調子器だけでした。そこで今日はロックミシンのルーパー調整の話を。
まず古いミシンを調整する時は最初に針を新品と交換することです。前後を間違えずに針棒の針止めにあたるまできっちりと差し込みます。ロックミシンの場合はこれが調整の基準になるからです。
次にその針の後ろ側のえぐりの部分と左ルーパーの先端が紙一重の隙間が出来るように調整して固定します。最後に左右のルーパーの先端が最接近するときに右ルーパーの位置を決めます。左右は1mm位、前後はさわる位にして固定します。手で弾み車をまわして右ルーパーが左へ動き針と交差する所で止めます。このとき針との隙間が紙一重あればベストです。針は右ルーパーの裏側のえぐりをなめる様に動きます。
試し縫いは布を挟まずに空縫いします。30cm位縫ってみて途切れなく綺麗なループが出来ればOK、出来ていないところが一箇所でもあれば再調整します。
(Nikon D100 Micro-NIKKOR 55mm F3.5)
( 1/60絞り開放)
刃物もよく切れています。
2010年03月15日
SINGER 192U
(Nikon D100 Micro-NIKKOR 55mm F3.5)
( 1/60絞り開放)
整備が終わりました。といっても固着はなく洗浄と注油だけです。モーターは分解してコンプレッサーで吹いて軸に薄くグリスを塗しました。フットコントローラも問題なし。
糸をかけて試し縫いしましたが問題もなく綺麗な縫い目でした。完璧です。製造年はまだ不明ですが1960年代でしょうか。
私が気に入ったのはこの色です。全体はアイボリーでロゴは茶色。柔らかな雰囲気がいいですね。
(撮影データー同じ)
(撮影データー同じ)
このケースも木製で頑丈です。ミシンの上から被せるだけでロックされる仕掛けです。ミシン本体と合わせると20kgは軽くオーバーでしょう。
2010年03月12日
ロックミシン ペガサス(美馬精機)ML-302
と思いオークションで落札しました。フットコントローラー無しですから格安でした。早速すべてのカバーを外して手で動かしてみたら右ルーパーが押さえに少しさわっていました。とりあえず取り付けネジをゆるめて右にずらしたら他に問題はなく動きました。しめしめ何とかなりそうです。前職でペガサスの工業用ロックミシンの保守もしていましたから。
写真のように紐を伝って各部を潤滑する仕掛けは工業用と同じです。(工業用はオイル循環の装置も付いていますが)
そしてすべての可動部に油を注してコンプレッサーで吹きました。つぎにモーターも分解してみました。ブラシが簡単に交換できるようになっていましたから、それもはずして掃除しました。減りは半分以下でしたから当分は大丈夫でしょう。軸受けに薄くグリスを塗って元に戻しました。コントローラがなかったので手持ちの新品を使おうとしたらコネクターが合いません。仕方なく付いているコネクターを外して新しいものと付け替え、試してみたらモーターは快調に回りました。
ベルトの張りに気をつけてミシンに取り付けます。フットコントローラーを軽く押すと心地よい音をたててミシンが動きました。
あとは糸を通してテストです。
2010年03月09日
フットコントローラー
今日も雨でしたから自転車には乗りませんでした。残念です。
それでまた今日もミシンの話です。
これがオールドブラザーのフットコントロール(ミシンの足踏みペダル)です。整備しようと開けたところです。
これを見てなるほどと納得しました。と言うのもこのフットコントロールは驚くことに現状で生きています。普通に使えます。でもこれから安心して使うにはせめて電線だけでも変えようと思ったわけです。
開けてビックリですね。5本並んでいるばねのような物は抵抗です。ニクロム線でしょうか。下の白い部分は碍子です。ブラザーの近くには日本碍子(NGK)がありますからそこで作った物かもしれません。
ペダルを踏むと横長の銅版が端子の上をスライドしていき抵抗が次第に小さくなり出力電圧が上がります。つまり踏み始めはゆっくりモーターが回りいっぱいまで踏み込むと回転が上がるのです。50年以上前から今と同じですね。
理屈は同じでも作りが違います。現代のものでもフットコントローラーの不具合は時々あるようですが、この頑丈さでは壊れるところがありません。
洗浄して可動部にはリチウムグリス、電気が流れる部分には接点グリスを塗っておきました。電線は張り替えました。
メンテナンス後の写真です。
2010年03月08日
ブラザー コミュニケーション スペース
ここはブラザーの創業期から現在の製品まで展示してあり歴史や構造や製品情報を知ることが出来ます。
所有しているオールドブラザーミシンのことが知りたくて写真を持って行きました。受付嬢さんにその旨を告げおいて展示を見ていたら、早速調べた結果を教えて下さいました。
その結果1947年から製造されたHA1-B2という機種であることが分かり館内にも展示されていました。
第二次大戦後の最初の製品であり物資の不足している時代にこれほど完成度の高いミシンが出来たことはまさに驚きです。そしてケースは1955年から製造のLP-201と分かりました。
最新の家庭用刺繍ミシンから工業用の本縫模様縫ミシン等も展示してありミシンに興味のある方には必見のスポットですよ。
2010年03月06日
突然のミシン
その数日前に偶然にも(自然の流れか)ミシンオタクにして裁縫もされている方(男性)のHPにたどり着き大いに感激してしまい急にミシンが欲しくなりました。
そこで早速オークションで落札たと言う分けです。
紹介済のオールドブラザーやもう少し新しい時代の物まで4台あります。今は縫う練習をしながらそれぞれの特徴を見極めているところです。ボタンホールにしても完全自動のミシンは1台で他のは半自動です。実際に使うボタンを押さえ金にセットするだけで自動でホールが縫えるなんてすごいですね。しかも30年も前のミシンで。
さて春物のシャツでも縫ってみましょうか。
2010年03月05日
オールドブラザー2
お手入れが済みました。
ボビンとボビンケースは現代の物を使い上糸調子は感で決めました。そしておそるおそるフットペダルをそーっと踏むとスルスルと縫えていきます。一杯踏んでもスムーズに縫えます。
あっけなくスムーズに縫えます。
大変綺麗な縫い目です。音も大変静かです。所有している4台の中で最も静かです。もう恐れ入りましたと言うしかありません。
はっきり分かりませんがおそらく50年以上前に製造されたミシンでしょう。
試し縫いの結果を見てから調整しようと思っていたので、まだ一切していませんし、もうする必要もありません。針棒のがたつきもありません。経年で硬くなっていた油を溶かして洗浄して再度注油しただけです。
どうです、このケースがいいでしょう。木製です。板にビニールコーティングしたクロスが張ってある、そんな感じです。そしてコーナーを皮で補強してあります。取っ手も革張りですが20kgはあろうミシンを下げるため芯は鉄です。
本縫いしか出来ませんがすでに完成されたミシンです。
2010年03月02日
オールドブラザー
針棒や他の部品にメーカー名と部品番号?が打刻されています。
機械好き人間にはたまりませんねぇ。
1950年代製と想像していますが当時のメーカーの製品に対する思い入れのようなものを感じます。
じつはこのミシン電動なんですよ。
くわしい修理の内容は次回に。