2012年10月28日
赤津七釉体験交流に参加して
朝の九時から午後三時まで楽しくすごしてきた。
赤津焼についての加藤唐三郎先生の楽しい講義のあと午前中は作陶の体験で私はろくろを選んで久しぶりに水引きをしてきた。三回やってすべて上手くできなかったけど伝統工芸士の方といろいろ話が出来て有意義だった。
写真の桶は初めて見た。聞いたところ「かんぶろ」といい冷たいときに炭火で水を温める装置だそうだ。
そして写真のようにろくろが低い位置にあり土殺しが大変やりにくかった。理由は分からないけど慣れてくるとこれでいいのだろうか。
お昼は「ごもめし」をいただいた。何とかという名のお婆さんしかこの味は出せないのだと言う。確かにおかわりがしたい位うまかった。
赤津焼会館では作家の作品が展示販売されているがこれは一番気に入ってしまった三宅紀保氏の大皿だ。50㎝くらいあると思う。これ以外にも目移りするほど素晴らしい織部がいっぱいあった。もちろん織部以外にも赤津七釉といわれるように黄瀬戸や志野や古瀬戸など多種な焼き物が並んでいる。
午後は加藤唐三郎、加藤作助、加藤令吉と赤津を代表する作家を訪ねて自作の解説や工房を見せてもらった。どなたも気さくな方で楽しい時をすごさせてもらった。最初に訪ねた背戸窯の加藤令吉氏は日展系らしい現代風の織部作品が素晴らしく地元の土や赤津焼に対する思いを熱く語ってくれた。
次の作助窯へ行くと五代伸也氏と六代圭文氏が迎えてくれた。五代の赤津七釉の説明の後六代が工房を案内してくれた。古い石炭窯には大きな煙突があり居合わせた職人さんが排煙を始めるまえに煙突の中で薪をくべて気流をつくってから窯の煙を引くという昔話をしてくれて面白かった。また瀬戸の土は鉄やチタンなど不要成分が入っていなくて世界一の焼き物土だと聞きそれで黄瀬戸の発色がいいのかと合点した。
最後の加藤唐三郎氏は織部を焼いたときにピンホールが出来てしまいもう一度窯に入れて還元焼成して作ったという赤っぽい織部の話をしてくれ興味深かった。その後工房へ案内してもらったがろくろ場には削ったばかりの花瓶が置かれていて細密な彫に見入ってしまった。これが氏の代表作の黄瀬戸になる。だが仕事場はいかにも寒そうで大きなストーブが置かれていた。美しい作品も孤独で地味な作業から生まれるのだと思わされてしまった。
帰りにはこんな素敵なぐい呑(湯呑?)もいただいた。汲み出しと言い茶会で昆布茶などを入れ客に出す時に使う一種の茶碗らしい。赤津の中島塩草さんの作である。
それで昼食つきで参加費八百円とは安すぎる。
この記事へのコメント
三宅紀保氏の大皿、手が込んでて素晴らしい作品です。
11月10日(土)赤津窯の里めぐりに行きます。
他にも素晴らしい作品が沢山ありました。
大変素晴らしかったです。